ニーズに応えるソリューションを迅速に提供する
~統計学的手法を活用した材料配合~

多彩な性能の製品を量産する力が強み

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NOKで取り扱う原料は5,500種あり、これを基にNOKで検討・量産した材料は88,000種になります。左側には「数多くの機能性原料を発掘できる調査力」と記載され、右側には「5,500種の原料を安定供給できる調達力」の説明があります。中央には「顧客の様々な要望に沿った材料開発」と記されており、下方には「長年の蓄積された配合ノウハウ」と「原料の特性を正確に理解し、適用する配合技術」と記載されています。さらに下部には「顧客のニーズに合わせた材料を安定して供給できる事がNOKの強み」と強調されています。

開発スピードアップも重要

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顧客からの製品機能要求の収集から始まる材料開発プロセスのフローチャート。プロセスは以下のように進行します:1. 顧客から製品機能要求の収集。2. 量産材からの選定:要求満足 → 量産。要求不満足 → 製品機能の材料特性への落とし込み。3. 要求事項に合わせた材料開発:配合/ノウハウの活用。統計的手法による配合設計。要求満足 → 量産。最下部には「蓄積された配合ノウハウ+統計的手法」の活用により「スピーディーな材料開発の実現」と記載されています。
低フリクション(トルク)なオイルシール材料開発に関する検討図。蓄積されたノウハウより、適用する充填剤を選定。各充填剤の配合量(重量部)は以下の通り:充填剤A 10~50、充填剤B 10~45、充填剤C 0~20、充填剤D 0~30、充填剤E 2~10。各充填剤を均等な3点で選定し、実行すると35~243通りの実験が必要になると記述。開発の時間及びコストを多く要する。統計的手法により、最適な充填剤の組み合わせ及び配合量を決定し、開発目標を満足するように計算する。統計ソフトの使用により、実験点を30水準に限定し、相関性から要求を満足する最適点を計算。応答目標値(最大、最小、75±5)に合わせた最適配合部数は、充填剤A 10部、充填剤B 23部、充填剤C 8部、充填剤D 3部、充填剤E 2部。スピーディーかつ低コストで材料開発が可能であると強調されています。

(写真左)

阿部 克己

NOK株式会社 NOK R&D 材料技術部 部長

NOK入社後、オイルシールの配合設計、接着剤、表面処理剤などの開発に携わる。2015年よりThai NOKに出向し材料管理業務全般に従事。2018年に材料技術部に復帰し、2023年より材料技術部の部長として56名のチームを率いる。

(写真右)

古川 智規

NOK株式会社 NOK R&D 材料技術部材料開発一課

2008年に入社し、オイルシール関連の材料開発に従事。2016年より混練拠点であるNOKエラストマーに出向し、量産混練についてのスキルを習得する。2018年にNOKに復帰し、高圧水素シールや電子部品関係の材料開発に従事した後、2023年7月よりオイルシール、ガスケット、船舶関連の業務に携わる。

記事内のデータ、所属・役職等は2023年8月現在です。

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