トラブルを未然に防ぐものづくりへ、“劣化メカニズム”解明との闘い

劣化メカニズムの理解が事故を防ぐ

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自動車や一般産業機械、電動車両、バイク、給湯器、水素発生装置などの完製品別に、部品、NOKの製品、製品の機能、材料の性能、および材料研究タイトルが一覧表にまとめられています。車両関連のシールやオイルシール、バイクのアブゾーバシールなどが含まれ、耐熱や耐油、耐酸化などの材料性能についての情報も記載されています。また、FPC用接着剤の高耐熱化メカニズムやNBRのオゾン劣化メカニズムなどの具体的な材料研究タイトルが示されています。
表1 NOKが手掛けているゴムの劣化に関する研究

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動的シールの代表例としてオイルシールが、静的シールの代表例としてOリング・ガスケットが紹介されている図。上部には「オイルシール」というラベルがあり、低燃費・低電費の特性が説明されている。下部には「スペースガスケット」というラベルがあり、小型・軽量の特性が説明されている。両者ともNOKの登録商標「Le-lis」が特徴として挙げられている。
図1 電動車両(e-Mobility)に使われているゴム材料の例

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耐久部品の劣化要因を示す図。左上は「熱酸化劣化:熱が加わったり、酸素と反応することによる劣化」と記載。右上は「オゾン劣化:オゾンとの反応による劣化」。左下は「疲労劣化:圧力が繰り返し加わり続けることによる劣化」。右下は「油・燃料による劣化:油や燃料との反応による劣化」。中央には「塩素水劣化:塩素水との反応による劣化」と記載。
図2 ゴムの劣化にはいろいろな要因があり、物理的変化や化学的変化の複合要因が多い

弾性体と粘性体の性質を併せ持つゴムに生じる応力緩和

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弾性体、粘性体、粘弾性体の特性を比較した図。弾性体の例は「バネ」で、応力は歪みに比例し、定歪みでは時間に依存しない。粘性体の例は「はちみつ」で、応力は歪みに比例せず、時間にも依存しない。粘弾性体の例は「ゴム」で、弾性体・粘性体両者の性質を持ち、応力は時間に依存する。各特性はそれぞれグラフで示されており、弾性体は変形すると一定の応力を保ち、粘性体は変形すると応力が急激に減少し、粘弾性体は変形すると応力が徐々に減少することが視覚的に説明されている。
図3 ゴムは弾性体と粘性体の性質を持ち、変形を保つ時間とともに応力が非線形に減少する

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高分子鎖と架橋点を示す図。左側には三次元的に広がる高分子鎖の模式図があり、右側には拡大された部分が表示されている。拡大された図では、高分子鎖がランダムに絡み合う様子が線で描かれ、交差点部分が「架橋点」として示されている。それぞれの構成要素がラベルで示され、高分子鎖と架橋点の概念が明確に説明されている。
図4 高分子が絡み合ったゴムの構造

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高分子鎖の劣化メカニズムを説明する図。上部には三つの段階に分けて高分子鎖が示されており、左から順に「高分子鎖がほどける」状態と「高分子の切断」状態が描かれている。各段階は矢印で繋がれている。下部には「毛糸の絡まりで例えると」というキャプションの下に、手で毛糸を引っ張ってほどける過程が三つの写真で順に示されている。左は絡まった毛糸を両手で持っている状態、中は毛糸を引っ張ってほどけ始めている状態、右は毛糸が完全にほどけた状態が描かれている。
図5 ゴムの弾性は高分子の切断によって徐々に失われる

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テニスラケットのガットの緩みと応力の関係を示す図。左側には青いフレームのテニスラケットの画像があり、「引張力」と書かれたラベルがガットに向けて矢印で示されている。右側には応力が経過時間と共に減少するグラフがあり、縦軸が「応力」、横軸が「経過時間」を示している。グラフは初期応力σ0から時間t経過後の応力σtに向けて減少する様子を描いている。上部には「ガットが緩んでも見た目に大きな変化はなく、触ってみないと分からない。実は、ガットの張りが弱くなった時には、発生している応力は大きく低下している。」という説明が記載されている。
図6 見た目は変わっていないのにテンションが低下する応力緩和の例

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