カーボンニュートラル実現に向けて需要増が見込まれる水素エネルギーの利活用に貢献
日本では、水素をエネルギーとして普及させ、活用を後押しするための水素社会推進法が2024年5月24日に公布されました。水素社会の実現に向けた動きが加速する中、水素エネルギー関連でNOKグループの技術を生かすべく、マーケティングや製品開発、販売拡大に注力しています。
水素エネルギーを利活用するための仕組み
「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」
水素の生成方法はさまざまありますが、カーボンニュートラル実現に貢献する重要な手段として注目されているのが、低炭素水素です。低炭素水素には、天候によって発電量が変化する、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの余剰電力を利用して、水を電気分解してつくる水素が含まれます。余剰が多い時に水素をつくって貯蔵しておけば、発電量が少ない時にその水素をエネルギーに変えて使用するというやりくりが可能になるのです。
このように水素をエネルギーとして利活用するための「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」という各段階を一貫して支える仕組みは、「水素サプライチェーン」と呼ばれています。
水素サプライチェーンに対応する
NOKグループの製品
NOKグループでは、1990年代から、水素を「つかう」分野である燃料電池車向けにシールの開発・製造を行ってきました。
燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて発電する装置です。水素と酸素をそれぞれ供給する2つの電極と、電解質で構成されたセル(単電池)を積層させたスタック構造になっています。このセルを区切り、水素と酸素、水蒸気、冷却水をシールするのが、セルシールという部品です。
他に、水素を「つくる」分野の製品として、水電解装置向けにOリングやガスケットを、「ためる・はこぶ」分野の製品として、水素ステーション向けにOリングや防振製品を供給しています。水素ステーションで採用 されている耐水素用Oリングは、マイナス50℃以下の極低温でも長期間の密封が可能という特長があります。
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水素市場に特化したバーチャル組織「H2 Project」
NOKグループは、中期経営計画における4つの変革の1つとして「新たな成長ドライバーの創出」を掲げ、その注力領域をEVとグリーンエネルギーとしています。
グリーンエネルギー領域では、水素エネルギー分野向けにシール製品などの開発・マーケティング・拡販の強化に取り組んでおり、次の事業の柱に育てることを目指しています。
具体的な取り組みとして、2024年に水素市場に特化したバーチャル組織「H2 Project」を発足させました。営業、開発、製造などの部署を横断したメンバーが集います。ユニークな技術と製品を持った企業の集まりであるNOKが、グループ内で連携することで、水素関連市場にさらなる価値を提供していきます。