グローバルNOK品質を保つ製造現場の人材育成
Thai NOK Co., Ltd.
NOKグループの東南アジアにおける中核会社としてThai NOK Co., Ltd.(以下、TNC)が設立されたのは1988年。現在はNOKグループ最大規模の3,600名以上を擁しています(2024年9月現在)。TNCでは、日本国内の事業部や製造子会社の品目全てを生産しており、NOK品質を保つための人材トレーニングに力を入れています。
日本のマザー工場で長期研修を受け、帰国後は自走
ものづくりの現場では、Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)の「4M」管理が重要であり、「4M」の変化点(4Mの要素の変更)が不適合の発生起因となります。
NOKグループでは、国が異なっても変わらぬ品質を提供できるよう、ノウハウを含めた4M管理の教育に力を入れています。
日本の事業部から新規性の高い製品が移管され、TNCにおいて量産立ち上げを行う際には、TNCの現場リーダーを中心としたスタッフが、移管元の事業部に出向き、トレーニングを受けます。マニュアルを基に、4Mの管理ポイントや製品特有の管理方法をOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で学習します。
長期間の研修によって、担当者同士の関係が深まるため、帰国後に問題が発生した時には、移管元の担当者へ気軽に相談することができています。
現場リーダーを中心に、4M管理についてOJTで学ぶ
従業員教育のためのトレーニングや教材の整備
TNCでは他の海外工場と同様に、自前の教育システムを持っています。トレーニングセンターが中心となって、新入社員の基礎教育から階層別教育、OJTなどを行っています。
トレーニングセンター内にあるQCルームは品質の基礎を学ぶ場で、「標準作業(約束)を守ろう」をコンセプトに開設されました。以前は「標準を守る」という概念が定着していなかったスタッフに対して、「なぜ標準を守らなければならないのか」「そもそも標準とは何なのか」を繰り返し伝えるなど、工夫を凝らしてきました。
例えば、不良品を、正しいレシピ(標準)を守らずに作ったトムヤムクン(タイの代表的スープ料理)に例えたり、工場をパッタイ(屋台や食堂で提供される有名な麺料理)を調理するレストランに例えた教材を作ったりしています。また、TNCの製品が組み込まれた自動車のカットモデルを使って説明するなど、興味を引き、楽しく学べる教材やプログラムを充実させています。
こうした人材教育が成果となって、“NOK品質”でのものづくりを実現しているのです。
安全や品質・生産性向上の基本となる「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」について学んでもらうため、
タイで親しまれている料理「パッタイ」のレストランをモチーフにした教材を作成した


人を大切にするTNC
高柳 ドゥアンポーン
Thai NOK Co., Ltd.
Human Resource Development Dept.
部長
私はTNCの人材開発を担当しています。具体的には、人材育成計画の作成と、それに基づくノウハウ・知識・スキルの継承、次世代リーダーの育成に携わっています。
全部署のマネージャーに、人材育成が企業の持続的な成長に欠かせないことを理解してもらうことを含め、継続的な教育の実施に取り組んできました。その結果、従業員の一人ひとりのスキルが日々向上していると感じています。
TNCは、愛情と信頼に基づく人を大切にする経営を行っており、チームワークと団結力を日々高めています。 これまでも、洪水やリーマンショック、新型コロナウイルスのパンデミックなどの危機的状況に直面するたびに、皆が力を合わせて乗り越えてきました。TNCにとって従業員の幸せは常に最優先事項であり、従業員もTNCファミリーであることを誇りに思っています。
今後も、全従業員が自発的に成長できる環境と文化を作っていきます。